2009年9月24日木曜日

9/24 ダンサーズ・ドリーム vol.1「眠れる森の美女」

  
今日はパリ・オペラ座のDVDを紹介します。先日このブログでも紹介したもの。 → こちらから



アマゾンの内容紹介は以下になります
★本商品は2003年発売のダンサーズ・ドリーム vol.1「眠れる森の美女」、vol.2「ライモンダ」、vol.3「ロミオとジュリエット」、vol.4「ラ・バヤデール」をBOXに収納し、大幅にプライスダウンした『ベストバリュー版』です★
ヌレエフ作品の数々をエトワールたちがひもとくドキュメンタリー
 世界最高峰のバレエ団、パリ・オペラ座バレエに偉大なダンサー/振付家ルドルフ・ヌレエフが振り付けたバレエ「眠れる森の美女」「ライモンダ」「ロミオとジュリエット」「ラ・バヤデール」。これらの名作の真髄をオペラ座の代表的なエトワールたちが解き明かすという、ユニークかつ贅沢なドキュメンタリー。舞台映像はもちろん、通常見ることのできない貴重なリハーサル、エトワールへのインタビューなどを通じて、解釈、振付、作品の歴史などを分かりやすく多面的に紹介。鑑賞の手助けとなるとともに、バレエへの理解を一層深められる内容となっています。

vol.1 眠れる森の美女
  出演 エリザベット・プラテル、マニュエル・ルグリ ほか // 1999年収録 88分
vol.2 ライモンダ
  出演 ルドルフ・ヌレエフ、エリザベット・プラテル、シャルル・ジュド、ローラン・イレール ほか // 1999年収録 83分
vol.3 ロミオとジュリエット
  出演 エリザベット・モーラン、マニュエル・ルグリ、カデル・ベラルビ ほか // 1999年収録 89分
vol.4 ラ・バヤデール
  出演 イザベル・ゲラン、エリザベット・プラテル、ローラン・イレール ほか // 2002年収録 101分
4巻セット 全プログラム6時間1分
DVD/COLOR/ドルビーデジタル・STEREO/片面1層/16:9/日本語字幕付(一部吹替)



このDVDの構成は4パターンあります
 ①個別レッスン風景   ②全体レッスン風景
 ③舞台リハーサル風景 ④本番
 楽曲が進む中、良いタイミングで画面が切り替わります。本当に良く出す・・よくここまで作ったよ♪)今回は約70枚の画像と共にDVDの進行に合せて書いてみます。






このDVDのオーロラはエリザベット・プラテルと、王子がマニュル・ルグリです
パトリシア・ルアンヌはエリザベット・プラテルへの師事は10年目になる (ルアンヌは何度か踊りますが美しい)。 

この演目は若手にとっては挑戦です。始りから出番まで全てがオーロラの為のプロローグです。 また、昇進の時はこの演目に縁があるそうです。(プラテル)

ワガノワバレエ学校でヌレエフと同期のニネル・クルガプキナ(キーロフ・プリンシパル)のインタビュー:
プティパの娘、マリアに「リラの精」を振り付けたのですが、マリアには踵のある靴で、他はポワントだったとか・・・。

1961年パリ公演の予定でオーロラ役のクルガプキナの出発許可が取消されます。数か月後、シャンゼリゼ劇場で、王子と青い鳥の役を踊り、そのまま西側に亡命。ヌレエフは1983年パリ・オペラ座の芸術監督に就任後、プティパが創作したグラン・バレエへのアプローチを精力的に行いました。当時パリ・オペラ座が古典作品を殆ど上演していなかった事もあり、この方向は大成功だった様です


リハーサル風景(ローズ・アダージョ)プラテルとドラノエ他求婚者達。パトリシア・ルアンヌはローズ・アダージョの途中止めてまで舞台全体の出演者たちへ注意します。(リハ・舞台リハ・本番、それぞれの場面が音をとぎらす事無く展開されます) リハでもローズ・アダージョをこなしたプラテル他メンバーには拍手が起こります


ヌレエフの高度な芸術性と演目を大事にしたい、ルフェーブルの言葉。しかし、課題も上げています。

マリインスキー初演時の事を説明してくれています

マリインスキー初演時の事を説明してくれています
オーロラ姫と王子は年が倍以上も違っていた事、チャイコフスキーへの依頼の事
当時チャイコフスキーは最初のバレエ組曲「白鳥の湖」での大失敗(自殺まで考えた)がトラウマになっていた事・・よってバレエ音楽を断念していたが、ペローの台本(母が語っていた幼年期の思い出)はプティパだけでは無く、作曲家から見ても傑作で有った。リラの精が王子を誘う姿に自身を重ねた事も再度受ける要因で有ったようです。
それと、細かい事を言うプティパとの仕事もとても楽しみにしていた




プラテルは言います。複雑な妥協を許さないヌレエフの振付は、一度覚えると、これしか満足できなくなる程。長い長いヴァリエーションは基本がしっかりしてないと出来ないのです。「シンプルさゆえにミスが許されない」振付です。この簡潔さ、厳密さが好きなのです。

針で刺してしまうシーンをプラテルは上手く出来ない様です

笑ってごまかし、若手をぶん殴っています♪
2回目は上手く右手で刺すことが出来ましたが、ルアンヌのタイミングとは少し違うようです。

ヨーロッパ初の完全版公演はイギリスです。マリインスキー・バレエ初演から30年後に、プティパ振付のオーロラ、カルロッタ・ブリアンツァが今回カラボスを演じます(同じ人とは思えませんが)
1984年オペラ座では記録的な45回連続公演が行われました。(その時のオーロラはプラテル。エトワールになって初めての演目だった様です)

エツィオ・フリジェリオのデザインから裏方迄、もちろん衣装も


(彼はヌレエフの墓のデザインもしたらしいですよ)

ヌレエフ版「眠れる森の美女」では、2幕の男性ヴァリエーションを重要視した。見事にルグリはその高度で長い要求に答えている。プラテルは言います。バランスを与えた功績、男性では「ジゼル」ぐらいしか無かったのに、プティパ振付にヌレエフは男性ヴァリエーションを見事に追加した。





100年が経ち眠りから覚めるシーンですが、コール・ドの配置までも・・

マリ=アニエスがカラボスなのですね。

ルフェーブルの言葉が重たいです


楽曲について完璧なスコアで身を任せる事が出来るとプラテルは言います。


苦悩は続きます。いよいよオーケストラを入れたリハです

ルグリは完璧なヴァリエーションを見せてくれました

最後にパトリシア・ルアンヌの「眠れる森の美女」への愛情を感じまし、大切にしたいビジョンがはっきりとしており素敵です。「”ヌレエフにはなれないけど、意志を継承していかなきゃ。作品に傾けた情熱を後世に伝えていきたい。不可能な事じゃない”」と言う言葉が本当に心に残ります。このDVDは本当は技術的な事を多く説明されていますし、バレエを志す人にとってはとても素敵な教則本となる事でしょう。ヌレエフの考え方なども理解できると思います。私は実際にバレエをしないので分りません。改めてオペラ座の舞台芸術を垣間見えた感覚を覚えてしまいます。(少し知ってしまった感覚・・それ程でもないかもしれませんが)本編でのDVDは、ルグリ、オーレリの物を私は持っておりますが、早速見たくなってしまいます。(って言うか見ました)

今日は、ここまでとしますが次は「ライモンダ(Raymonda)」を予定します。

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